職場の人間関係・メンタルケア・適材適所・離職対策
30年以上の多業種経験をもとに、個人と組織の「本来の力」を引き出します。

以前SNSで見かけた投稿を、ふと思い出した。

小池百合子さんが、都知事と新党代表という二つの役割を、

「運動靴とヒールを履き分けて」

と表現した、という話。

それについて、

女ウケする例えだと思ってるんだろうけど、バカだ。
この発言こそが世の男達に
「この程度の意識だから女に政治やらすとダメなんだよ」
と心の中で舌打ちさせるのだ。

と、書いてあった。

さらに、

「女性の社会的な地位を下げているのは、こういう女性たちだ」

というところまで話が広がっていた。

確かになと思いつつ、
なぜかこの投稿は今でも覚えている。


「運動靴とヒール」って、そんなに必要?

小池さんが何を履こうが、もちろん本人の自由。
ヒールが好きなら履けばいい。

それは分かる。

ただ、
都知事と党代表。
二つの役割をする。

だったら「二足のわらじ」でいいんじゃない?

なんで、そこで急にヒール?
と、私は思った。

政治の話をしているのに、そこへ「女性らしさ」が入ってくる。

それが、ちょっと気になった。


でも、こういうのって政治家だけじゃない

ここまでなら、単なる小池さんの発言への好き嫌いの話。

ところが、このことを思い出していたら蘇った若かりし頃の私。

さかのぼること20年以上前。
当時、面接官をしていたときのことが頭に浮かんだ。

女性の応募者の履歴書を見て、

「お子さんがいるんだ」

と思った。

そして同時に、

「残業は難しいかな」
「家庭との両立が大変かな」

なんて、本人に聞く前から頭の中で考えている。
…今思えば、ずいぶん勝手な話。

本人は何も言っていないのに。

「仕事はしっかりしたいです」
「残業もできます」

と言うかもしれない。

なのに、こちらが先に、

「女性だから」
「子どもがいるから」

と想像してしまう。


「心配しているだけ」のつもりだったりする

これが、やっかいなんだと思う。

「女性だから仕事ができない」

なんて思っているわけじゃない。

むしろ、

「大変でしょうから」

という気持ちだったりする。

でも、本人からすれば、

「いや、私まだ何も言ってませんけど?」

親切のつもりが、勝手な線引き。

こういうのって、たぶん会社の中にもいっぱいある。

「女性だから気が利くよね」
「女性だからこの仕事をお願いしよう」

もあれば、

「女性だから、この仕事は大変かな」

もある。

褒めているようで、決めつけている。
心配しているようで、可能性を狭めている。

なんとも失礼な話。


偏見って、もっと分かりやすいものだと思っていた

昔は、

「女性は仕事なんてできない」

みたいなことを言うのが偏見だと思っていた。

でも、実際にはもっと無意識に入り込んでくる。

「きっとこうだろう」
「たぶん、こうだよね」
「この人には難しいかな」

そんな小さな思い込み。

しかも、本人はそれを「判断」と思っている。

私たち、思っている以上に早い段階で人を分かったつもりになっているのかもしれない。


高市さんが総理になった今だから、余計に思う

そんなことを考えていたら、
今は高市早苗さんが総理大臣になっている。

日本初の女性総理。
これはもちろん、大きな出来事だと思う。

でも、高市さんを見ていると、

「女性初」というところだけをいつまでも見ているのも、なんだか違う気がする。

総理になったんだから、

「女性だからどうなの?」

より、

「この人、何をするんだろう?」

でいい。

小池さんのときも、

「女性都知事」

というところから始まった。

今は「女性総理」。

こうして一つずつ、
「女性初」が増えていけば、
そのうち「女性だから」が少しずつ薄くなっていくのかもしれない。


人の見方って、案外クセがついている

考えてみれば、

女性だから。
男性だから。
子どもがいるから。
年齢がこうだから。
前の仕事がこうだから。
学歴がこうだから。

私たちは、知らないうちにいろんな情報から、

「この人は、きっとこう」

と無自覚の偏見に基づいた答えを作っている。

もちろん、それが当たることもある。
だから、余計にやめにくい。

でも、たまには、
「それ、本当に本人が言った?」
くらいは、自分に聞いてみてもいいのかもしれない。

その自覚こそが、

「女性だから無理」

が、

「本人はどうしたい?」

に変わることもある。

それだけで、相手を見る目が少し変わる。


自分のものさしも、たまには点検してみる

誰かの偏見を見つけるのは簡単。

「あの人、古いよね」
「まだそんな考え方なの?」

と言うのは、いくらでもできる。

でも、

「私も似たようなことしてない?」

と、自分のほうを見るのは、ちょっと難しい。

だからこそ、
そこに気づけたときは、
自分の見方を一段変えるチャンスなのかもしれない。

大きく考えなくてもいい。

第一印象で、

「この人はきっとこうだろう」

と思ったら、

「いや、ちょっと待て。本人に聞こう」

があるといい。

会社で、

「女性だからこうだよね」

と思ったら、

「それ、本人に聞いてみたの?」

と、自分の考えを疑う。
そのくらいがいい。

昔の「運動靴とヒール」の話を思い出して、そんなことを考えた。

人の偏見を見つけるのは、わりと得意。
でも、自分の中にあるものは、見つけにくい。

……他人のものさしには、よく気づくんですけどね。

自分のものさしになると、急に老眼になる(笑)。

だから、たまには自分のものさしも拭いてみる。

それくらいのほうが、
案外、気持ちよく歳を重ねられるのかもしれない。

 


 

 

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