職場の人間関係・メンタルケア・適材適所・離職対策
30年以上の多業種経験をもとに、個人と組織の「本来の力」を引き出します。

自分の中では、すでに高評価。

  • 会社を作った。
  • ロゴを作った。
  • 名刺を作った。
  • ホームページを作った。
  • 営業資料も作った。
  • 営業先も300社調べた。

かなり準備した。

ホームページを見る。
いい。

営業資料を見る。
これもいい。

名刺を見る。
紙質もいい。

自分で作っておいてなんだけど、なかなかいい会社になってきた。


いよいよ、人に見せてみる

知り合いにホームページを送った。

「どうですか?」

しばらくして返事が来た。

「何の会社か、よくわからない」

え?

ちゃんと書いてある。
サービス内容もある。
代表挨拶もある。
料金も載せている。

もう一度、自分で見る。

…わかる。
かなりわかる。

でも、相手にはわからなかった。
とりあえずホームページを直した。


次は営業資料

別の人に営業資料を見てもらった。

「これ、誰向け?」

そこから?

資料の冒頭には、ちゃんと書いてある。

「○○にお悩みの企業様へ」
「○○を改善したい企業様へ」

かなり丁寧に書いた。

「具体的に、何をしてくれるの?」

聞かれる。

資料を開く。
書いてある。

「これです」

見せる。

「それって、いくら?」

料金表を見せる。

「高いね」

料金表に書いてあることを言われただけなのに、なぜか少し傷つく。


300社のうち、一社に電話する

とうとう電話をかける。

番号は合っている。
担当者の名前もわかっている。
会社のことも調べた。
最近の記事まで読んだ。

…準備はできている。

「お世話になっております。○○と申します」

話す。
サービスについて説明する。

相手が聞く。

「それって、うちに必要ですか?」

止まる。

もちろん必要だと思っている。
そのために電話した。

「こういうケースでしたら……」

説明する。

「なるほど」

少し間がある。

「今は大丈夫です」

電話が終わる。


一社目は、そんな感じだった

会社に戻る。
パソコンを開く。
ホームページを見る。
営業資料を見る。

さっきまで、

「なかなかいいな」

と思っていた。

今見ると、

「この辺、伝わってなかったな」

と思う。

資料を直す。
ホームページも直す。

そして、また思う。
今度はいけそうだ。


二社目は、もっと具体的だった
「それ、うちの場合どうなります?」

聞かれる。

説明する。

「今使っているものと何が違うんですか?」

答える。

「導入すると、何が変わります?」

答える。

「実際、どれくらい効果あります?」

……ここは資料に書いていない。

少し黙る。

「そこは、これから事例を作っていくところでして」

言った。

自分で言っておいて、ちょっと面白い。

営業資料には、

「豊富なノウハウと確かな実績」

と書いてある。

目の前では、

「これから事例を作っていくところです」

と言っている。

ホームページと現実の距離が、思ったより近くない。


外に出ると、全部聞かれる

ホームページなら、

「わかりやすいです」

と自分で思える。

営業資料なら、

「よくできている」

と自分で思える。

会社案内なら、

「ちゃんとしている」

と思える。

でも、お客さんの前では、

「で、何ができるの?」

と聞かれる。

「うちに必要?」

と聞かれる。

「いくら?」

と聞かれる。

「他と何が違う?」

と聞かれる。

一つ答えると、次が来る。
準備していた質問には答えられる。

準備していなかった質問で、急に現実になる。


そこで初めて、わかることがある

自分では、

「かなりわかりやすく説明できている」

と思っていた。

実際には、
自分がわかっているだけだった。

自分では、

「これは絶対に役に立つ」

と思っていた。

実際には、
相手にとって今必要かどうかは別だった。

自分では、

「かなりいいサービスだ」

と思っていた。

それも、
自分には、という話だった。

外に出ると、
自分の評価表が使えない。
相手の評価表を渡される。

しかも採点基準を教えてくれない。


だから、また準備する

会社に戻る。

営業資料を開く。

「この説明、いらないな」

削る。

「ここはもっと具体的にしよう」

直す。

「この料金設定はどうだろう」

考える。

今度は、実際に聞かれたことをもとに直している。

前より少し違う。
準備そのものが悪いわけじゃない。
外に出たあとなら、準備にも意味がある。

  • 誰かに見せる。
  • 反応される。
  • 困る。
  • 直す。
  • また見せる。

その繰り返しで、準備が少しずつ外向きになる。


自分だけの満点から、採点してもらう

ホームページを直す。
営業資料を直す。

また電話する。
また断られる。

たまに話を聞いてもらえる。
質問される。

答えられない。
帰って調べる。

次は答えられる。

そんなことを繰り返していると、

「これなら売れる」

という感覚が、
「これなら、この人には必要かもしれない」
に変わってくる。

ずいぶん地味な変化。

でも、たぶんこっちのほうが会社は育つ。

準備は相変わらず続いている。

ただ、前とは少し違う。

今度の準備には、相手の顔がついている。
そして、それが自分にとっての正解になる。

 


 

 

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